こすっても目が開かず、耳だけが朝を探す。
小鳥たちが何回もじゃれあってる声。
トラックのブレーキ。
車が風をこすってゆく音。
白いカーテンの向こう、うっすらな光をまつ毛の向こうに見つめた。
布団をかぶってる頭に、
急に、ユーミンのあの歌が、ふわっと降ってきた。
・・「小さい頃は神様がいて、不思議に夢を叶えてくれた」・・。
起きて、
モコモコを着て、
その上からまたモコモコのベストを着て、
にがいにがいコーヒーをすすりながら、
テーブルの前に座ってぼーっとした朝。
今日はお昼からの約束があるから、とても早起きだ。
早起きをしないと終わらないことがたくさん。
そんなことをぼーっとしながら考えて、お風呂を溜めた。
なんだか、今日の入り口を探してるような朝だ。
耳を澄まし、歌を口ずさもうとし、コーヒーをすすり、お風呂を溜めて・・
そんな全てで、入り口を探してる自分。
さぁ、早く、入り口をくぐらなきゃ・・とか小説の主人公のように想いを巡らせ、
バカみたいだなぁと、笑いたくなる。
人との出逢いにしても、風景との出逢いにしても、
出逢いのたびに感情が揺れる旅。
そんな日々から帰ってきた時は、
心に溜まったたくさんの水がある。
いいも悪いも、たくさんの水は、この心を重くもする。
じゃーっと流してしまえばいいけれど、
その水たちは、宝物だと、心が言う。
早く、この水たちを蒸発させて、
空に浮かぶ、たくさんの歌たちに変えていけたらなぁと、思うんだ。
動いたり、考えたり、燃えたり、走ったりしながら。
にがいにがいコーヒーは、あと、ふたくちほど。
少し、目が覚めたよ。