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2020.12.30

コールドムーン


舌を噛んだらしくて、
朝起きたら、ひりひりとして。
その舌が気になって、
そこを歯とくっつけてスリスリとしていたら、
またヒリヒリとした。

屋根裏で片付けをしていたら、
体が冷たくなってきて、
ピアノでも弾こうとポロポロしていたら、
綺麗なメロディーが生まれた。
そして、少し、涙が出た。

メロディーをポロポロとしていたら、
今度は言葉が生まれた。
そして、頭に広がる物語を夢見た。
昔、応援団の裏方の奴らが集まっていた高速道路の下にあった
金網の公園の風景を思い出した。
それから、
僕らの町にあった大きな橋の上から見えた無数の街明かりの風景も
思い出した。
その下に流れていた川の流れの音も。


メロディーを弾くのをやめたら、
本当に静寂の部屋だった。
あまりの静寂に、
冷蔵庫の製氷機の音を思い出したりした。
静かな部屋に時折響く、
あの夢の世界に導かれた寝息のような音。

そして、
外の音が聞こえた。

今日の僕の町は雨だよ。
せっかくの今年最後の満月の日。
コールドムーン。
きみの町からは、満月が見えるだろうか。