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2022.2.17

5時の歌。


暗い部屋、目が覚めた。
右向き、うつぶせ。
マットにあたってる左胸のドキドキを感じる。
つきあげてくるような、痛み。
それは、身体的な痛みじゃなくて、
せつない、そんな痛み。

「歌いにいきたいなー」と思ってみる。
「歌いに会いにいきたいなー」と思ってみる。

願いがあるから、せつなくなるんだ。
空虚感や、失ってしまったことに慣れてしまったら、
もう、せつなささえも無くなってしまうんじゃないかと思う。
せつなさがあるってことは、
まだ願ってる気持ちがあるってことだ。

なぁ、心、
そのままでいてほしいよ。


布団から左手を伸ばして、iPhoneを手に取る。
5時かぁ。
もう少し眠ろう。
・・なんて思いながら、
ついつい誕生祭ライブの曲のことを考え始める。
あれ歌って、そのあとはあの歌で。
考えていたら、歌が落ちてきた。
久しぶり。この感じ。
しょうがない、起きるか。
掛け布団から抜け出して、暗い中、ピアノの部屋へ。

落ちてきたのは歌い出しの部分だけしかない破片だったけど、
好きな感じ。

窓の向こうが少しずつ明るくなっていく。


生きている。
心臓、動いてる。
歌いたい心、生きている。
体の中に、
歌の芽も生きている。
春を待って、ちょっと控えめな顔をして、
そこにいる。
覚えてる。
心臓、覚えてる。

自分の唇からこぼれる吐息のような歌の声を、
自分の耳で聴いて、
今朝は少し、気持ち、あたたかくなった。

おはよう。
もう少しで、今年の誕生日ライブっていう、
大切なライブ。