人間て、不思議。
このカラダの中、
心臓とか、内臓とか、筋肉とか、血とか、
そういうんだけじゃなく、
確かに、
心とか、”気持ち”とかが存在する。
よく科学的に解明できないものはない・・とかいう番組を見ると、
「確かに・・」とはなるけれど、
反面、
やっぱり、
この”気持ち”の揺れや、昂揚や、せつなさ、寂しさ、情熱・・みたいなものたちは、
科学的には証明できないものなんじゃないのかなぁ・・・と、
自分なりには思ったりする。
昨夜のライブ。
ステージが終わったあと、
自分のカラダの中にある、
その、”気”というものが全て放出されたような感じになって、
からっぽというか・・、
カラダ全体がぶらんぶらんになって、
楽屋のパイプ椅子から落ちたまんま、
汗まみれのままぐったりと床に座り込んでいたのだった。
その感覚は、あまり今までも味わったことのなかったような感覚で、
昨日のステージに関しては、
確かに、あまり、なにをどうしていたか、覚えてない。
ただただ、情熱というようなもののままに、
感情とピアノと歌が一体化したこのカラダの成すがままに、
歌いたい想いに取り憑かれたかのように、
腕も足も指も声もまなざしも、
”気”とともに、放たれていた。
そこには、自分の意志さえもなかったかのように。
野良犬が、ひと知れず道路の隅っこに横たわって、
おなかと顔をアスファルトにべったりとくっつけて目を閉じている姿のように、
昨夜は、眠った。
ステージを思い出すと、
なんだか生きすぎてしまったかのようで、
オレの感情の中にはなにか自分にもわからないものが密かに眠ってるのかも・・とかなんとか、
少し怖いぐらいで、眠ろう眠ろうと、眠った。
ライブって、命を燃やす場所なのかなぁ・・
いや、生きてるってことを感じあう場所だろ・・
いやいや、だからこそ、命がどうしても燃えてしまうんじゃないかな・・
目を閉じた暗い世界の中でも、いろいろが巡って、
3時間ぐらいでどうしても目が覚めてしまって、
薄く開けた目で暗い天井を見つめて、
さっき綴ったような、
このカラダの中に在る、”気”というものについて、
ぼんやりと考えていた。
いつものように、朝はやってきて、
今日は始まる。
午前中は、
機材を取りにいきながら、
マクドナルドの月見バーガーを食べた。
美味しいじゃん、
やるじゃん、マック。
・・と、
僕の中には、また新しい呑気な、”気”がやってきていて、
優しげな日差しの午後を過ごし始めている。
もうすぐツアーも始まる。
自分は、どれだけの新しい自分や、
見えなかった自分に出逢うんだろう。
そして、
そこから、
こぼれて落ちた歌たちを拾い上げてゆくんだろうか・・・な。