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2023.5.12

まもなく。

5/12朝。
フェリーの窓辺で、カップヌードルを食べている。
まだまだ寒い東北の寒気の中での車中泊のせいか、あたたかなスープが体の奥に沁みる。
美味しいな・・これ発明した人、天才だな。
カップ麺の横には、今朝4時ぐらいに食べたお弁当の残り。
昨夜の仙台ライブの時に差し入れでいただいた名物の牛タン弁当。
あたたかな想いが胸に沁みた。
その牛タンをつつきながら、冷たいゴハンの部分にはラーメンを乗せて食べている。
そして、
窓の向こうは、晴れ空の下、輝く大海原の景色がゆっくりとが前から後ろへと流れていく。
時間は今日もまた前へ前へとゆっくりと進んでいるんだよ・・と、僕を諭すように。

デビュー30周年を迎えて、
僕は毎日、歌旅の日々を進んでいる。
歌って、歌って、歌って。
そんな日々が続くと、新しい歌を書きたい書きたいという気持ちが溢れてくる。
今日は、フェリーを降りてから、10時間ぐらいの車移動。
その前に海の上を船は3時間ほど進む。
運転しながら、新しい歌をまとめるために思い巡らせようかと思っているから、
もう少ししたら、ボイスメモに山ほど入ってるメロディーの破片を
iPhoneのミュージックのフォルダにまとめていく作業をする。

最近は。。。
30年前の自分は、今の自分を想像していただろうか・・
なんて想いがソーダの泡のように浮かんでは、
想像なんかできっこなかったよ・・と消えていく。
あたりまえだ。
よっぽどの人じゃない限り、30年前の自分を想像できないだろう。
自分自身について大きく言えば、
生きてるだけでもうけもんで、
歌えてるだけで、
ステージに立ち続けているだけで、それは、奇跡だ。

あの頃の自分は、小さな世界でもがいていたと思う。
目の前に広がる街をあてもなく歩いたり、
アパートの床と小さなピアノを行ったりきたりしながら歌を書き、
自分の胸にある熱い塊やどうしようもないジレンマをステージで吐き出し、
出口やきっかけを探して、光と闇を行き来しながら、ただただ必死に。
でも、
ほら、こうして、大海原に水面の輝きを眺めながら想いを巡らせば、
あの頃にも、充実や幸せやキラキラの瞬間は確かにあって、
そう、いつの時代も、
喜怒哀楽、それは、七色、それ以上のさまざまな色を放ちながら、
生きていたんだろうと思う。
その時々の、精一杯の”今”を生きるために。

その”今”の歩みが道になって、
現在の、今につながっていたんだろうな・・。


一度、
自由部屋というところの隅っこの床でうずくまって眠った。
目が覚めると、もうずいぶん時間が経っている。
船内には、高らかな下船のアナウンスが流れ出す。
「まもなく~まもなく~♪」・・・と。

今日もまた、歌の場所へと走りが始まる。
明日は北海道の最北端からフェリーに乗って、利尻島でライブだ。
それにしても、
昨日の夜走り5時間は、わりときつかったーーー。。
いくつもの暗い高速道路、
ぎゅっとハンドルを握り、
目をバキバキに開いていなくちゃで・・(笑)。

今日は昼走り。
また新しい、今しか見れない風景と、
今を生きてる自分が待っているだろう。

開始。
まもなく。
まもなく。